浮いて沈むブログ

0歳児娘のことやアルフォートのことなど

里帰り出産してほしい夫と絶対に里帰り出産したくない私の280日戦争

 
昨年の冬に妊娠が判明してから8月に出産するまでの間、妊娠報告をした方々から私は幾度となくこう聞かれました

「里帰り出産?」

そのほとんどはうっすらと語尾に(だよね?)が聞こえるほどに当り前、といった聞き方です
 
「いや、里帰りはしないんです」
 
そう言うと次は決まって
 
「あ、じゃあ誰か手伝いに来てくれるの?」
 
この言葉が続きます
 

このやり取りは地味に心が死にます
 

人によっては「里帰りしないで頑張るんだ!偉いね~」と言ってくれますが
大半の人は「え?大丈夫?」「産後鬱になっちゃうよ?」と忠告してくれるからです
 
親切心なのは分かっていますが
あまりに言われ続けるとこの忠告はどんどん強迫に聞こえてきてしまうので

私は産院や市の保健センターには「実母が手伝いに来てくれるんですぅ~」と
堂々と嘘をついていました
 

私は妊娠前から自分の実家への里帰り出産はしないと決めていました
 
今住んでいるところから実家までそこそこ遠いというのもありますし、
里の環境があまり育児に向いていないんです
 

・家族の中に喫煙者が2人いる(2台ある車はどちらもヤニ臭プンプン)
・興奮すると大騒ぎする約9キロの小型犬がいる(トリミングは中型犬料金取られる)
・度重なる非人道的行為及び発言により私に多大なるストレスを与える疫病神こと姉がいる
 

ほらね、不安しかないでしょ
特に三番目

私はこれに加えて

・夫と一緒に育児をしたい
・授乳を家族に見られたくない(特に姉)

この2つもあったので余計に里帰りはしたくありませんでした

実家の家族が嫌いなわけではないけれど、無理に里帰りして実家との関係性が悪くなるのも嫌だったのです

ところが、この判断には強敵がいました
 
 
それはそう、私の愛する心優しき頑固な夫
 
 
そもそも、夫にとっては出産=里帰りがスタンダード
 
というのも、夫の華麗なる義兄妹たち夫婦は全員もれなく自分の実家へ里帰りして出産しています
義姉・義妹にしても、複数人出産していますが全て里帰りでした
それも、出産2~3か月前どころか妊娠初期くらいからのロングラン里帰り出産

そのため、夫にとっては里帰り出産というのは、空と言えば青、雲と言えばしろ、ハムと言えば別所哲也というくらい当然のことだったのです
 

私たちは大いに揉めました
十月十日280日、ずっと意見は平行線のまま
度々ミーティングを行い、私が泣いて議論が終了したことも何度もありました
 

夫サイドの主張はこうです

・産後に無理をして後々体に影響が出るのが心配(産後の肥立ち云々)
・勿論育児は一緒にやりたいけど仕事の都合で限度はある、いざという時は人手が多いほうが良い
・孤独感や育児疲れからくる産後うつ育児ノイローゼが心配

至極真っ当です
反論のしようがないですね
腹立たしい限りです

これ、本当にその通り過ぎてそれが故に出産直前までめちゃくちゃ悩みました

ただ、それでも里帰りは嫌だと私が駄々をこねると、今度は産褥期だけでも義実家に住むのはどうか、と提案してきました
 
義実家は車で15分ほどの距離でしかもそこそこの広さがあるので、夫も一緒に同居という形で住むことが可能です
しかも、義実家サイドからも「是非来てちょうだい」と声をかけてくれました

非常にありがたい話です

私は義実家のことをツイッターやブログで散々イジリ倒してはいるものの、義家族のことは好きですし頼りにしています

それに直近で子供を出産して育児中ママさんもたくさんいるので、赤ちゃんを見てもらうにしてもとっても安心です
 

ただ、それとこれとは別問題
 

どんなに仲が良くても元は他人
一緒に住むとなったら気は遣うし、生活スタイルの違いだって気になるだろうし、好きな時に寝ながらお菓子ボリボリ食べたりできないし(重要)

というわけで義実家里帰り案も丁重にお断り

といっても、義実家への里帰りに関してはせっかくの好意ですし日頃から仲良くしているので出産直前まで悩みに悩みましたし夫ともたくさん言い合いになりました
 
 
今までは夫と意見がぶつかった時、自分の意見に固執すると大概後悔していた私です
 
また後悔することになるんじゃないか、娘にとっては里帰りして周囲に助けてもらったほうが良いんじゃないか
 
本当に出産直前まで何度も何度も悩みました
 

でも、どうしても産後の疲れてるところで変に気を遣って心身ともにストレスを抱えるほうが良くない気がする
自分の直感を信じて、結局里帰りしないと決め、夫にも理解してもらえました
 
さて、この決断はどうだったかというと
 
 
 
大正解でした
 

大正解でした!!!!!!!!!!!
 
 
 
いや、勿論産後はめちゃくちゃ大変ではあったんですが
 
食事はお惣菜や出前、テイクアウト、冷凍食品で乗り切り、その他の家事は夫の担当、私は娘のお世話とたまに食器を洗うくらい
 

また、娘は今でこそ寝かしつけ中に大蛇の如く大暴れしたり、意味もなく大泣きして抱っこする私の眼鏡をむしり取るような荒くれものですが

新生児の頃は授乳したらコテンと寝てくれて理由なく泣くようなこともないタイプだったので、日中は娘の寝てる間に一緒に休めました
 

産褥期なので悪露もあったし股も裂けてるし(助産師さん判断で会陰切開しないで出産したらいきみすぎて肛門まで裂けた人)
頻回授乳で乳首は痛いし膝やら腰やら関節やらも馬鹿になってるし夜間授乳で常に眠かったのですが

そこそこ休めていたことと、産後ハイのおかげでそこまで体に負担をかけずに乗り切ることが出来ました
 

今考えると、私
は結構ラッキーだったんだと思います
 

なかなか寝ない子やよく泣く子だったら無理だったかもしれませんし
夫が繁忙期でほぼ家にいないような時期の出産だったら完全ワンオペ育児新生児バージョンできっと倒れてました
 

色んな幸運が重なって、何とか乗り切れたんだと思います
 

そして、産後にやっぱり里帰りしなくて良かったな、と強く実感したことがいくつもありました
 

①実母にガルガルガルガルガルガル期
 
出産前は「夫にガルガルしたらどうしよう…産後クライシス怖い…」とか思っていた私ですが
夫に対しては全くそういった感情は無く、むしろ産後三週目くらいに三泊四日で手伝いに来てくれた実母へガルガルが発生してしまいました
 
実母が娘を抱いているとイライラ、アドバイスをもらってもイライラ、美味しい食事を作ってもらってもイライライライライラ……
 
このガルガルはどう出るか産んでみるまで分からないのですが、私の場合は理不尽にも親身になってサポートしてくれた実母へ発動してしまったので、実家に帰っていたらとんでもないスターウォーズを繰り広げてしまっていたかもしれません
 
おかあさん、あのときはごめんなさい(今は仲良し)
 

②義実家での授乳が恐怖
 
これはまあ想像出来てはいたんですが
 
義実家は親戚がよく集まる場所で、特に子供がたくさん来るところ
別室で授乳していてもいつロケットの如き子供達が突撃してくるか分からないし、誤って大人が入ってきてしまう可能性もあります
 
産後、何度か娘を連れて遊びに行ったのですが、別室での授乳はいつもビクビクしていました

同居していたらこれが毎日……と思うと、まじのまじで同居は避けてよかったです
 

③産後は上半身裸がデフォ
 
思っていた以上におっぱい
寝てる時間以外はずっとおっぱい
さっき飲ませたばかりなのにおっぱい
ボタンを留めるのも面倒な産褥期は常におっぱい
 
実家や義実家だったら多分部屋から出れませんでした
 

④夫と二人で娘の成長を見守れた
 
一番はこれです
生まれてから最初の一か月、新生児の期間ってものすごく変化が多いんです
 
顔はかなり変わるし、泣き声も変わるし、体重も増えて、身長もすごく伸びる時期
乳児湿疹が出来たり、よだれや涙が出るようになったり、クーイングがはじまったり、げっぷが上手になったり
 
些細な変化ですが、一つ一つその時期じゃないと見られない貴重な姿を夫と一緒に見ることが出来たのが嬉しかったです
 
自分の実家で両親に孫のこういった姿を見せてあげるのも親孝行なのでしょうが、
私の場合だと宇宙大戦で忙しくて実家にいたらこういった変化は見逃してしまっていたかもしれません
 
 
 
こうした理由もあって、私には自宅での新生児育児の方が合っていたようです
 
 
自分の実家に里帰りするという方は、素晴らしい親孝行だと思いますし素晴らしい里をお持ちで羨ましいです
義実家へ里帰りするという方も、きっと安心して身を寄せられる素晴らしい旦那様とご家族に恵まれたのでしょう
 

そして、里帰りしたくないけれど周りから里帰りはしないのか、産後うつになるのではないかと不安な日々を過ごしている方

蓋を開けてみないと、産後の自分や子供がどうなっているかは分かりません
里帰りした方が楽なケースだってたくさんあるでしょう
 

ただ
 
 
根性も育児経験値も無いし分娩を担当した助産師さんに頭を下げられたほど股が裂けたけど里帰りせずに産褥期を乗り越えた人間もいます
 
 
里帰りするな、とは言わないけれど
 
どうしても嫌だったら、無理しなくていいんです
 

配食サービスや家事代行サービスも今はたくさんありますし
育児してみてやっぱりどうしても辛い!実家帰りたい!ってなったら(距離にもよりますが)その時点で里帰りすることも出来ます
 
嫌々実家や義実家にお世話になって、体は楽でも精神的にストレスを抱えて母乳の出が悪くなったり育児を楽しめなくなってしまっては、その方が子供にとっても自分にとっても良いことはありません

「里帰りしたくない」はわがままでもなんでも無いので、どうか自分の気持ちを尊重してください
 
 
里帰りサバイバーの私からのお願いです
 
 
余談ですが、知人女性で私の二か月後に子供を出産した方がいます

彼女も実家が遠方、義実家が近居ですがどちらへも里帰りせず産褥期を過ごしました
私と同じく新生児育児には苦戦していたようですが、産後うつの発症などもなく現在は元気に三か月児のママをやっています
 
彼女は義母さん(とても仲良し)が産後ちょくちょく食事を作りに来てくれていたようですが、
「お義母さんは好きだけど、お義母さんの料理は脂っこくて飽きちゃった」
と嘆いていました
 

産後は外に出られないし、母乳を与えている場合は食欲がモンスターなので食事は何よりの楽しみです
お金をかけてでも自分の好きなものを食べましょうね